ここでは、会社組織とコミュニティの違いを説明していきます。
移住者が増えたり、自分らしい生き方を求めて独立したりという人も増え始めてきているので、働き方のギャップに驚くことがあったりしていませんか。そんな僕も、悩んでいます。
会社で働いていたときと新たなコミュニティでも同様に接していて、うまくいかない事に悩みを抱えてしまっていませんか。ええ、僕も悩んでいます。。
じゃあ、何が違うのか。違いを整理しながら、新たなコミュニティづくりや人間関係での接し方、目標の共有方法などを解決できたらと思います。
コミュニティづくりをするとき、違いがわかっているとだいぶ変わるはず!楽しくやれるはずです。
会社組織とコミュニティは成り立ちが違う
そもそも、会社という組織と、コミュニティという組織は成り立ちが違うということから整理してみます。
会社の成り立ち
会社は、世界では1602年に成立したオランダの「東インド会社」が、最初の株式会社です。日本では、坂本龍馬が設立した「亀山社中」が株式会社の原型といわれていますね。
出資者を募り、出資の口数に応じて利益を分配する仕組み。じゃあ従業員は何のためにあるかというと、目的を達成するために雇われています。
航海をして貿易する会社であれば、「航海したい」「貿易したい」という想いを持った経営者のもと、航海と貿易に関する技術と決意を持った人たちが従業員として雇われて、目的を達成する事に集中するということです。
人数が少ないと、経営者と従業員が近くなり、想いが重なり合ったりしますが、基本の従業員ってこういう成り立ちのようですね。
コミュニティの成り立ち
コミュニティというと、「地域コミュニティ」が思い浮かびます。自治会・町内会の成り立ちから説明します。
1930年代後半〜 日本各地で自治会が組織される
1940年 法的に整備され、国策の徹底を図る為の行政末端組織に
1947年 GHQにより自治会の解散やその他の行為を制限される
1952年 サンフランシスコ講和条約で制約がなくなり、自治会再結成
以降は行政と関係のない住民の自治組織に
(実質はまた行政の末端組織のような動き)
1960年〜 高度経済成長期によりヒトの移動が増え、自治会が疎遠になる
1960年代後半 価値観の変化(モノの豊かさからココロの豊かさ、量から質)により自治会とは別の地域住民組織が求められるようになる
\\コミュニティという言葉が日本に生まれる//
上記が、コミュニティの成り立ちです。地域コミュニティ、というものの説明ではありますが、大枠のコミュニティというのはこんな形で成立してきました。
今回の記事で説明しているコミュニティは「想いを同じくして集まる」ものであり、地域性というコミュニティとは多少異なりますが、昔の地域は同じ職業の人たちが近くに住んでいたことも多いので、それはつまり想いを同じくして集まるということです。
それぞれの成り立ちからわかること
会社組織とコミュニティの成り立ちの違いからわかるのは、
達成しようとする目的のために集められたのが会社組織
同じ境遇の人や地域等のなかで自ら集まるのがコミュニティ
ということです。昔は同じエリアに住むということは、仕事内容も近く、所得も近かったのでしょう。農家の隣は農家、漁師の隣は漁師、商人の隣は商人、というように。想いも当然近いはずです。
会社組織とコミュニティというのは、全然違うものである事がおわかり頂けたでしょうか。(といいつつ調べながら初めて僕も知りました汗)
会社組織とコミュニティはゴールが違う
目的のために集められた会社組織と、自主的に集まるコミュニティ。ゴールも当然のように異なってくるはずです。
会社組織のゴール
会社組織のゴールというのは、何でしょうか?
「利益を生み出すこと」になりますね。
利益を生み出せなければ、雇われた意味がない。その為には、雇っている社員を厳しく評価します。うまくできない人には、ガンガン責める。冷静に捉えた場合、寂しいですがそういう事です。
もちろん、利益を生み出せるようにする為、教育する事は含まれるはず。スパルタのようにしごかれた人なら、辞めた後に「あの時に比べたら大したことないな」「あの厳しさでないと今の自分はない」と価値を感じる事もあるでしょう。
コミュニティのゴール
自主的に集まるコミュニティのゴールとは何でしょう。
種類によって異なりますが、地域コミュニティをまず例に挙げるとすれば、
「快適に、豊かに暮らせること」でしょうか。
これは、ゴールが抽象的ですね。しかし、抽象的で良いのだと思います。常に改善していくことが地域コミュニティには求められます。
オンラインサロンなどのコミュニティのゴールを考えてみると、仮にビジネス関連のコミュニティの場合、
「参加する人が○○できるようになること」としている事が多いかもしれません。
これは何かスクールのようにもなりますが、具体的な目的よりもやりがいを求めてコミュニティ参加している場合、少しゴールは変わってくるかも。
何か実現したいものがあり、共通のゴールを持った人が自主的に集まるのがコミュニティと定義したいのですが、なかなか定まりませんね。。
共通しているものがあるとすれば、コミュニティは、自主的に集まる以上、少し次元の高めな欲求を持って集まっているということでしょうか。
ゴールの違いからわかること
会社組織では、利益を求めることがゴール。コミュニティでは、多様とはいえど、抽象的なゴールや自己実現がゴールという違いがあります。
会社組織は、利益というゴールに向かって進む為、ポジションが明確に割り当てられています。
コミュニティでは、自主的に集まるものであり抽象的なゴールである為、ポジションは特になく、場合によって事務局が大変な作業になることもありえます。満足度がそれぞれ異なり、多様なことが良い方向に転べば面白そうですが、なかなか難しい。
このゴールの違いを理解していないと、コミュニティづくりや運営は上手くいかないという事ですね。
コミュニティはまだ過渡期にある
オンラインサロンというコミュニティによって、人の繋がりが再構築されている気がします。
共通の想いを持った人が集まる場所。今はウェブで解決できますから。
地域に住む人たちは、自分と違う境遇であり、仕事も違う。読んでいるニュースも高齢になれば新聞で、若年齢層はネットやSNSになっています。興味のある事も多様化している為、面白いと思ったニュースを知人に伝えても「ふーん」ぐらいの反応で寂しくなることもあるかもしれません。
かくいう僕も、サッカーの話題を話す人が周りにいない事が初めてで、ウェブ上でしかその人たちには会えていませんしね。。コミュニティ入ろうかな。
ただし、そのオンラインサロンなどのコミュニティも、まだまだ過渡期のようです。
例えば、スキルの高い人と低い人がいる場合、後者は置いてけぼりにされてしまう。勉強したい意欲が高くても、スキルの高い仲間が欲しい人たちに囲まれてしまっていたら、それでは会話は通じなくなります。
この勉強したい人は排除されるべきかというと、ハードなオンラインサロンと銘打っている訳ではないので、排除される必要もありません。同じお金払っていますしね。
じゃじゃあ、古くからある地域コミュニティの方は?というのも考えますと、
地域コミュニティというのは、情報に格差が生まれている時代なので、相当な認識の差が生まれているはずです。
危機感を感じさせる受け身のメディアを見ている人と、その危機を克服する情報を発信するメディアを見ている人が同じ想いを持って進めますか?おそらく無理でしょう。
この情報の差が、移住者と地元住民の温度差だと僕は思っています。
まとめ
・会社組織は目的達成のため、利益追求のために集められている
・コミュニティは多様な人が様々な目的で自主的に集まっている
・コミュニティはまだ過渡期にあり、運営に正解はない
・コミュニティ運営は、能力や情報の差がある事を理解して進めよう
こんなところです。人種がほぼ一種類しかいない日本で、差を認めないでコミュニティ運営していると、大抵はグループに成り下がってしまいがち。
共通の想いはあれど、能力や情報、境遇の差を理解して進めていくと何か答えがみえてくるかもしれません。