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北海道には結局なにが不足しているのか、何があればいいのか

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北海道は、面白いですよ。「もったいないなあ、こんな良いものあるのに」と思うのはもちろんのこと、国ほどの面積があるので、これから開拓してもまだまだ土地はあります。ただ、国ほどの広さがあるのに、ルールが全国と一緒なので、それが障害になったりとか、特殊な環境であったりとか。まずは北海道移住したり、事業を起こしたりと楽しむ前に、どんなところかを知って頂けると幸いです。

北海道は、開発される対象の場所でした

北海道開発法、という法律が1950年に制定されました。それに伴い、1951年に北海道開発局というものができました。今でいう地方創生みたいな形で、当時は制定されたのでしょうか。恥ずかしながら、1980年代生まれの筆者は「開発局」は知っているものの、そんな法律があったことを初めて知りました。

金融での補助として、北海道開発公庫(のちにすぐ北海道東北開発公庫になった)が1956年に設立されました。目的は、

北海道及び東北地方における産業の振興開発を促進し,もって国民経済の発展に寄与するため,長期の資金を供給すること等により民間の投資又は一般の金融機関が行う金融を補完し,又は奨励すること

だそうです。こちらは1999年に解散。日本政策投資銀行へ事業承継されています。

このことから何がいえるかというと、「北海道は命名から150年になるけど、開拓してからも開発は継続して行おうという国の意図があった」ということ。そして、他地域と比較しても莫大な開発費が北海道には注ぎ込まれていて、短期間で成長しており、人口もこの期間に莫大に増えた、ということ。1950年というと、戦後まもなくであり、私の親世代の建設系に携わる方々は「給料が毎年2倍に増えていった」という話を聞いていたので、凄まじいものであった事は想像していました。

生産地としても、全国への供給を行っており、当時の食料、石炭などの資源は北海道が担っていました。

しかし、開発公庫の解散が1999年であるように、国策としての北海道開発という意識は90年以降急速に降下。開発局は、以前は中央省庁の一つでしたが、2000年以降に国土交通省の一部門に統合されています。筆者の小さい頃の意識では、「バブルが終わった」という認識でしたが、北海道はまた別物だったのですね。知りませんでした。思い返せば、たしかに石炭が石油へと変化して炭鉱が閉山したり、アミューズメントパークが無くなったり、という事はその一つでもあったのかもしれません。

なるほど、建設ラッシュがあって公共事業が莫大にあり、石炭などの開発は三井や住友、三菱など財閥系が行っていた。建設業者は公共事業が減り、合併などを実施してなんとか生き残る。財閥系は撤退したので、ノウハウなどを持った企業は存在しない。輸送は国鉄が主に行い、貨物専用として存在した路線が、旅客用となったり。冷静に考えていくと、見えてきます。行政のせいにしたり、という気持ちの住民の感情は何なのか、などが理解できました。

北海道の現状の課題

①観光客のほとんどは、道内客であるということ

②札幌一極集中、消滅可能性都市は市町村の78%

③札幌市の女性比率が異様に高い

④公共事業頼みであった、ということ

まだまだあると思われますが、ひとまずこの4つとします。課題を挙げてみましたが、上の開発の話から想像していくと、「まあそうですね」という感じになります。

①観光客はほとんど道内客である

北海道庁調べの、以下のデータをご覧ください。

道外客が少し増えています。平成28年度に何があったかというと、「北海道新幹線の開業」です。安定した輸送能力の向上が見込める新幹線。3%の上昇。さらには、外国人の前年度比10.6%の上昇。宿泊客が230万人もいらっしゃるのですね。

と、いうことよりも、道内客がすごい。日帰りの多さ。宿泊客も含めて、4,642万人!実に85%が道内の観光客です。もはや、国である。しっかりとこの数字を見たのは初めてですが、これほどとは。

北海道って、デパートの物産展では売上が常にとんでもないのです。物産展ではキラーコンテンツなはず。しかし、訪れる人ってこのぐらいなのですね。。

宿泊客延べ数です。函館は周囲に大きな宿泊地がないので、延べ数で測ると延泊で、かなり多くなるのでしょう。旭川市って、観光入込数の実人数では531万人なので、日帰り客が多いということでしょうか。倶知安町が多いのは、ヒラフエリアのリゾート地が要因でしょう。釧路市も周囲に大きな宿泊地は無いですが、おそらく体験移住や避暑地としてのPRが効いているものと思われます。登別市は温泉地ですので、道内のお客さんが泊まりたい街でもあります。

観光地は、外国人で補おうとしている?

各地が、「インバウンドだ」と賑わっています。観光客(つまり殆どが道内客)の減少を、外国人の滞在により、補おうと考えているとも言える。道内の日帰り客は、お金を殆ど落としません。対照的に、外国人は宿泊することが前提の為、宿泊、飲食などで多くお金を落とします。人数でみれば道内客が多勢ですが、観光地からすれば外国人客の方が数倍良い、と捉えているのです。たしかに道内の観光客は人口も減るので、頭打ちともいえます。

これが、観光庁、観光協会や自治体の戦略でもある。しかし、実際の現場ではどうでしょうか。

ニセコエリアは、外国人が殆どである為、接客も英語必須です。そこまで振り切ってしまうと、外国人への対応に慣れていきます。外国人で働く人も増えてきていて、スキーやスノーボードをする為に訪れ、残りの時間を働いて稼ぐような人も多い。ニセコの一部エリアの第一言語は英語なので、英語圏の外国人からすれば楽勝です。日本人で英語を話せる人も、「北海道では貴重な」冬に仕事がある。(ニセコは元々1982年にプリンスホテルがあったり、リフトが建てられていたりと土壌があったから例外でもあるのです、他とは違うので...)

ニセコ以外のエリアは、どうか。基本は、道内客が訪れる場所です。日本語通じる、というよりは同じ「国」の人たちを相手に商売を長年やってきています。上層部(観光庁、自治体、観光協会)は、インバウンドに積極的です。現場は、「急に」外国人への対応を行わなくてはならない。今までと180度異なる対応をしなくてはならない、ともいえる。「できれば外国人のお客さんを対応したくない」。そんな声が漏れている場所も、実はあったりします。札幌市、函館市、小樽市、富良野市あたりは大丈夫かもしれませんが、それ以外の市町村は現場とリンクしていないのが、実は現状です。今まで通りやっていきたい。そう考えているかもしれません。

観光の解決策は、結局「外」の人なのかも

観光地は、黙っていてもこれから外国人が訪れます。それは、北海道では新千歳空港がメインの入り口ですが、輸送が2倍になることからも増えるといえる。これは、自衛隊の航空機と通常の旅客機の離陸着陸が同時に行えるようになったのも要因。海外からの直行便も増え始めていることからも、間違いない。じゃあ、どうするか。

結局、「外」の人の力を借りるしかないのではないかと。外といっても、都市部に住む人、北海道以外に住む人、若手、外国人を含めた外の人です。既存の認識を持った人を「内」の人と分けた場合のこと。今まで通りやっていきたい人は、道内客へのニーズを満たしている。じゃあ、対応してくれる人は、外の人に頼むしかない。地方へのUターン組も、外の人です。じゃあ、どうやって受け入れるか。

新しくお店を開業してもらうか、マネージャーぐらいの判断ができる権限を持たせる雇用を行うか。それ以外の「バイト」という形での使い捨ては、「大きな変化」を遂げられないでしょう。しかし、開業ならクレイジーな人が来てもらう方が (地元の人にとっては思いもよらない所に魅力や可能性を感じる人たちなので)良いですが、雇用を行うとすれば失敗はあり得る。人材を送り込んでくれる企業に頼った方が懸命です。

観光の前に、少数の開拓者を呼び込むのが先決

地元の人にとって、外国人は「外の国の人」。つまり、慣れていない。これは仕方のないことで、外国人を見かけて、「あ、外国人だ」と言ってしまうでしょう。少し抵抗があるので、まずは抵抗のない「変わった」人を呼び込むと良いかもしれません。(僕は30代なので若手に入るかわかりませんが、都市部に一度出ている若手は、外国人に全然抵抗ないです。だから変わってるわけではないのですが、地方からすると変わった人なのでしょう)

まずは、この「変わった」人を呼ぶのが最初。全体的な移住の対策をとる前に、です。

筆者も、地域力の向上が先決ではないか、と北海道出身であるがゆえに考えています。しかし、地域の人たちと仲良くなっていくと、「まあしょうがないか」とも考えていくようになる。つまり、自分も「地元の人」になってしまうのです。外から見た印象を解消できる何かが、それぞれに必要ではないかと考えるようになりました。

さて、変わった人を呼び込む。これは、道内客の呼び込みに慣れている北海道では、大変なことです。移住者として来てもらうとき、一見して手軽で身近な大都市である札幌市から呼び込みたい、と考えるのは当然でしょう。これが、まあ大変な落とし穴であったりもします。

上の方のデータを思い返してみると、道内客がほとんどである、観光地の集客。そのうち、3,635万人が日帰り客でした。実に観光客の66%が道内日帰り客です。データから妄想するに、札幌市や中堅都市からの道内観光であり、泊まらずに帰るお客さんです。泊まらないということは?札幌に帰るのが日常である、ということ。札幌一極集中という問題の基本が、「札幌がいい」と考えている人なのです。

札幌がいいと考える人はどんな人か

札幌は、人口増加がピークを迎えるという推測を超えて、増え続けています。北海道各地にとって、札幌は「吸われる」場所。
「札幌がいい」と考える人は、どんな人かを妄想してみますと、

・いつでも何か買い物や外食ができる

・ちょっと行けば観光地が日帰りできる

・仕事がある

・地下鉄が充実しているのでアクセスが良い

・新千歳空港も近いし旅行できる

こんな人たちであるでしょう。すみません、妄想が過ぎました。札幌に住んだ事のない人の考えですので、あくまで妄想です。

この考えを持った人たちが、衰退しつつある地方の町村へ移住すると思いますか。「変わった」人だと思いますか。ということです。観光が先で、移住を後回しや別物にすると、残念なことになる可能性があるのです。

「変わった」人を呼び込むには、どうするか

「これ、ヘンじゃないですか」と言われて、「何をヨソもんが口出してるんだ」とイライラしたことがありますか。そうです、それです。摩擦を生むような人を呼び込むのです。しかし、摩擦を生むような人は、変わっている人ですので、起業などしてもらった方が良い。

起業しやすい環境をつくったり、空き家をタダ同然で貸し出す事が、「変わった」人を呼び込む機会かもしれません。

まちづくりに絡めたいようであれば、シャッター街となった場所などをどんどん開けていきます。その近くに、また改修できそうな空き家を用意します。「偶然が連続」していくことでしょう。思ってもみないことをやるのは、その移住者にとって「見えていること」でもあるので、偶然ではありませんが、地方にとっては驚くべき現象となるのかもしれません。

観光のPRに先に投資したいところをグッと抑えて、街の中を見渡すことが先かもしれません。PRが仮に成功したとして、その人たちを対応する地元住民がいなければ、口コミで一発アウトです。「行っても、見るとこないよ」「外国人を泊めたくないんだって」「わざわざ行ったのに閉まってた」などなど、そんな様子が生まれている自治体もあったり、なかったり...

もちろん、地元の若手が「おし、やるぞ」というのを押し出してあげるのも重要です。ただ、結局年配の方を嫌って、繰り返し年配の方と同じことをやるメンバーもいますので、そこはオブザーバーなどを入れて調整した方が良いかもしれません。

地域おこし協力隊もそのひとつ、しかし

都市部から、地方へ人を送る。そのひとつが、地域おこし協力隊という制度です。雇用の少ない地方にとって、税金で雇用を賄う、という手段でもあります。北海道内には数百人が挑戦しています。しかし、自治体や地域住民が「税金で雇っているんだからしっかり働かせろ」となってしまう事もよくある。どういうことかというと、「公務員と同じ」働きをさせようとする地域もある、ということです。刺激を与える為に挑戦した人たちでありながら、公務員の「臨時職員的」な仕事をさせてしまう。それほど、人が足りないのでしょう。

小さい自治体では、一時期雇用を控えていた事もあり、30代がまったくいない自治体もあります。また、平成の大合併で市町村が数多く合併しましたが、合併しなかった自治体も多い。自治体の運営をギリギリの人数でやっているので、様々な事業を兼務している人も多いのです。「臨時職員が欲しい」「国から交付税が出るならその名目で採用しようか」と考えてしまうのも、仕方がないともいえます。

良い自治体の例では、事業の担当として採用する事もあります。「移住に関する一切の業務は、地域おこし協力隊で入った方に任せる」という自治体も。もちろん周りの職員がサポートします。その後、外部委託として移住事業を継続し、法人を立ち上げ定住している、という例もあったりします。

続きは、次回で

思ったより観光の話が長くなってしまいました。②以降は、次回にします。

 

参考:人口急減社会、国・地方はどのように対応するべきか—北海道から考える

 

 

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