北海道の自伐型林業を実施すべく、仁木町で団体を立ち上げました。名前は、「NISEKO.CITY」。ニセコドットシティと読みます。
2015年からひっそりと活動している同名の団体「NISEKO.CITY」のメンバーが核となり、「夏の仕事づくりを模索しよう」という意図もありまして、同じ名称の団体にしました。フィールドは蘭越町からスタートしています。
その林業活動のなかで、「うーむ」と考える事がありましたので記事にします。
自伐型林業とは?という事に関しましては、北海道の自伐型林業推進協議会ウェブサイトがありますのでご覧ください。(弊社でウェブサイトを管理させて頂いています)
林業は危険だぞ
林業は大変だぞ、林業は素人には無理だぞ、林業は危険だぞ。
よく言われます。もちろん、講師の指導のもと座学・実習を受け、施業しています。
自伐型林業というのは、既存の林業とは異なり、危険を極力避けるような施業方法を目指しているので、ちゃんとビビりながら実施しています。
林業と聞くと、まず、チェーンソーを使う事を想像するでしょう。しかし、最初はそこからではない(場合が多い)。何かというと、草刈りです。
道をつくる
キョトンとしていますか?草刈りといっても、北海道では特に「笹刈り」と言った方が良いかもしれません。
木の周りに生えている笹を刈る。数十年も放置された森林は、自由に様々な植物が伸び放題ですので、適度に管理する為、笹刈りする事から始まります。
次に、道をつくっていく。森林の中を巡回する為、さらには伐採した木を運び出す為の作業道づくりです。これが面白い!!そして重要。
小さな林業を実施するには、作業道があるかないかで大きく違います。
山を育てながら進めていく
想像していただきたいのですが、木を運び出したいと考えた場合、どうやって積み込み、どのように運びますか?
重機を使いたいですか?その重機はどのように山の中に入るのでしょうか。
一度きりの作業であれば、重機でガンガン伐り倒しながら進み、トラックに積み込めば良いかもしれません。しかし、森を育てていきたいと考えた場合、木を伐って植え直すのではなく、木を太く成長させる方が理想的なんです。
山をどんどん購入し続けて生計を立てる、または各地で委託を受けて木を伐って生計を立てるのではなく、一つの山を管理しながら育てていき、大きくなった木を選んで伐っていく「小さな林業」です。
ということで、常に巡回しながら、伐採した木を運ぶために軽トラックなどが入れるほどの道をつくることが、安全でもあり、伐採しすぎずに管理ができる。
理想の道をつくる。もはや開拓です。その山が大好きになることでしょう。
若い芽を摘む
ある意味、大きな木を育てる為、立派な形にする(まっすぐな木など)為に管理していきます。その為には、他の植物に栄養を吸われないようにする必要が出てくる。
上記にあるように「笹刈り」「下刈り」をします。道づくりも兼ねて実施しています。
笹刈り作業をしていると、ある意味まさに「若い芽を摘む」という事でもあるなあ、とも思ってしまいました。
間伐(間引き)によって木を選びながら「この子を大きくしよう」と伐っていく際にも、人間であったら「成長する人を選び、伸ばす。もたもたしている邪魔な人たちは潰そう」と考えているような気持ちにもなります。
笹の成長は早いので、今年生まれて伸びてきたものもありますが、間伐の際は少なくとも自分の年齢より長く生きている木の場合もある。
「若い人たちを応援したい」「移住者を応援したい」という意図で立ち上げた弊社(ホムデのこと)でもあるので、うーむ、と考えながら作業をしています。
自伐型林業の考え方は他にも活かせる
人間のためなら、仕方ない。社会のためなら、仕方ない。そんな言葉で冷静に進める事ができない私ではありますが、自伐型林業に関わるなかで、他の取り組みにもこの考え方は使えるのではないか?という予感もあります。
これから林業としての団体も進めていくのですが、今までNISEKO.CITYとしてzine(小冊子)を紙で作っているため、自分たちで伐った木が紙になるまでを追いかけて、その紙に印刷して販売する、というのも面白いかなと思っています。