北海道の人口ランキング(2017年末時点)が2018年1月に出ました。
2017年末前後あたり現在でのデータだそうです(北海道新聞調べ)。12月1日であったり12月末であったり1月1日のデータとのことで、それぞれのデータ確認時期にずれがあるのでそんな情報だと思われますが、ほぼ正しいはず。
このデータで読み解くべきは、札幌一人勝ちではなく、4位釧路市5位苫小牧市の接戦、7位江別市8位小樽市9位北見市の接戦というところ。 2018年1月末時点でいうと、釧路市は172,214人、苫小牧市は172,236人。釧路市は北海道第5位の都市になりました。
北海道は、人口が増えている大都市は札幌市のみ。旭川市より下は、全て人口減です。つまり、減りが多いところがランキングから下がっていくということ。
北海道新聞がニュースとしたのは、「江別の人口が小樽を抜いたよ」という点でした。江別市は年間200人〜300人の減少であるのに対して、小樽市は年間2000人の減少。さて、北見市は?年間900人〜1100人の減少。2018年のどこかで小樽市は北海道第9位の都市となるかもしれません。
人口減少率より減少数が気になる
日本の全都道府県で、人口減少率が高いのはどこかご存知でしょうか。
秋田県です。平成29年から平成30年の間で、1.41%、14,205人が減少しています。
さて、北海道ではどのぐらい減っているか。5,401,210人から、5,370,807人へ減少。30,403人減りました。比率としては0.5%の減少ですが、毎年3万人減っています。ちなみに外国人は3000人ほど増えていますので、外国人が全く動かなければもっと減っている。
局地的でなく全体で3万人の減少ではありますが、これは気になります。なぜかというと、日帰り道内観光客によって成立しているエリアであるから。
北海道各地の観光は、日帰りをイメージしがち
現在、民泊やゲストハウスで湧く全国各地ではありますが、北海道も例に漏れず賑わっています。リゾートホテルや大規模なホテルは価格帯を上げてきていますので、低い価格や別のサービスを狙えばどこにでも機会はあるのかもしれません。
しかし、各地の街ぐるみでの観光は、ほとんどは日帰りを中心として構成されます。というより、考えざるを得ないとも言えます。
これは構造の問題でもあり、今までの歴史が必要でもある。
大規模なホテルやリゾートをバスで回る
宿泊地があるかないかは、大規模のホテルがあるかないか、と捉えるのが北海道。小さな旅館が立ち並ぶエリアは殆ど無いのです。アクセスの問題で、飛行機で北海道へ到着した後に行きたい場所まで電車ではほぼ行けません。不可能ではないのですが、ほぼ無理。これが北海道の構造の問題。
歴史とは、昔から温泉地やリゾート地であったかどうか、です。登別温泉、定山渓温泉、洞爺湖温泉、ニセコリゾート、ルスツリゾート、など。大規模なホテルが立ち並ぶエリアであったため、現在のインバウンドに対応できます。
では、なぜ日帰りを中心とした観光が出来上がるのか。元々ホテルの無い街は、通過する、立ち寄る場所として機能してきたからです。上に書いた温泉やリゾートの途中で買い物をする場所です。
ん?なぜ別の場所で買い物するの?と北海道を知らない人は思うかもしれません。アクセスの問題を思い出して頂くとわかるかもしれませんが、元々、観光バスでの移動をメインとしていた為、ながーい距離を移動する時のサービスエリア的位置付けが必要になったのです。いわゆるトイレタイム。ここで買い物して下さいね〜、という事です。
昔から、大型バスが駐車できるかどうかが、観光として重要な要素でした。寄り道をして、というのも一斉にザザーッと人が訪れるような観光です。これが、北海道観光の従来の形。インバウンドでも、特に中国人の方々はこのステレオタイプな観光スタイルが多いようで、ピタッとハマっている様子。
宿泊地がない=日帰りor通過点
大きな規模で考えたい北海道、という事はご理解頂けたかもしれません。では、それがどのように人口減少数と影響してくるのか。
以前も書きましたが、北海道の全体の観光客数は5,466万人。そのうち、日帰り観光客は3,655万人です。
日帰りで構成されている、ということがよくわかる数字です。さらに、ここで答えが出ます。北海道内のお客様が4,642万人。観光客の殆どを占めているのです。比率にして84.9%...!!
この観光客はもちろんのべ数なので、北海道の人口一人あたり9日間は日帰り観光をするようなもんです。その観光人口が、毎年3万人減るという計算になるということ。3万人が毎年減るので、27万人分の観光客が毎年減っていく。
外国人が増えているからいいじゃん、と思いますよね?しかし、少しだけ壁がある。さて、どうやって突破しましょうか!
長くなってきたので、日帰りから脱却できない少しの理由や外国人宿泊客の動向に関しては、次回にします。